第12章 草の壁
サクラside
カカシ先生が来てからそれを避けるように楓は帰っていった。
どんなに頑張っても、楓にとって一番大切なのはカカシ先生なんだろうとさっきの話を聞いていても伝わった。
(それなのに…)
目の前のカカシ先生はそんな事にも気づいていなそうで、優しい楓の気持ちが全て通り抜けているようで
すごく悲しい気持ちになる。
「サイ〜、楓先帰っちゃったよ。追いかけなくていいのー?」
サイは突然自分に話がふられ一瞬驚いた顔をしてから
ごちそうさまでしたと言い立ち上がる
「サクラ、ありがとう。楓のところ行ってくる」
サイはそう言って楓を追いかけて行った
(楓…これ以上1人で泣かないでよね…)
きっと彼女の心の穴はサイにも埋められないと思う。
でも…
少しでも彼女が楽になるのなら…
そう思って私はサイに声をかけた。
(サイも、ごめんね…)