第12章 草の壁
「もしオレが死ぬってなったら、迷わず自分が飛び込む、かぁ〜」
「か、カカシ先生…き、きいてたんですか…」
座っている私の両肩に後ろから両手を乗せた先生は、私の真後ろに立ったまま私の方を見ていた
「オレも楓が死ぬなんてなったら……
いや、絶対させないよ。楓は命に変えても守るから、ね。」
いつもの呑気な笑い方でそう話すカカシ先生の声は、表情と裏腹にすごく真剣なものに聞こえた。
「お〜い、ナルト〜。なんだ、なんか楽しそうじゃない」
カカシ先生は私にそれだけ伝えると隣の方でまだ騒いでいたサイとナルトの方に向かった
「えっ、カカシ先生、今回は病院送りじゃなかったのかよ」
「なーに失礼なこと言ってんだナルト。病院キャラにするのやめてくれる?」
事実だってばよー!とナルト君がいうと一段とあちらの席は賑やかになっていた
「カカシ先生ってば……。楓の気持ちも考えて欲しいわ。……あんな事言われたら、諦められないよね。」
サクラちゃんは少し不機嫌そうに呟くと水を飲んだ。
「カカシ先生、みんなに優しいからね…。」
私はそう呟くと
遠めでナルト君たちと戯れている先生を見て、胸がギュッとなる
(本当、なんでこんなに好きになっちゃったんだろ)
私はどんぶりに残ったスープを一気に飲み干すとごちそうさま!と声を出して皆んなよりも先に帰った。