第12章 草の壁
「ナルト君はいつも自分の体張って、命懸けで私たちを守ってくれるけど
サクラちゃんが今ナルト君をすごく心配しているようにサクラちゃんもナルト君のことを守りたい。
この気持ちって、誰がどう止めようと止められるものじゃないんだと思う。
多分、私も。
もしカカシ先生が死ぬってなったら、今は迷わず自分が飛び込んでしまう気がするもん。
ナルト君がサスケ君をどうにか取り戻したいのも、
サクラちゃんがナルト君に頼んだ言葉だけじゃない。
ナルト君の意思で、ナルト君が守りたいもののために動いてるんだと思う。」
サクラちゃんは瞳に雫を浮かべて私を見る
「私たちで頑張ってナルト君を守ろう。サスケ君を、助けよう。
あの時私はブレブレだったの。
誰を守りたくて何がしたかったのかも。
それでぜーんぶ失っちゃった。
でも、今の私は守られるだけじゃなくて、自分の意思でしっかり守りたい人がいる。
それはサクラちゃんも。だよね?
…だからさ、大丈夫だよ。」
ちょっとだけ語りすぎてしまった事が恥ずかしくて頬を指でぽりぽりとかく
「…っ……!楓〜!!!」
サクラちゃんは私の名前を叫ぶと同時に思い切り私に抱きついてきた
「おわわっ!!!サクラちゃ…っ!」
「私は楓の事もめっちゃ大事なんだからね!もー!!!!」
泣いてるかと思えば何故か怒ってるサクラちゃんが可愛い
「ふふっ、いつものサクラちゃんだ!…私もサクラちゃん大好き。頑張ろうね」
そんな事を話していると後ろから両肩にポンと手が置かれる
咄嗟に振り向くとカカシ先生が立っていた
(……っ…!)