第12章 草の壁
「本当、幾つになってもナルトはうるっさいわよね〜」
サクラちゃんが呆れたように話す
「ふふ、なんかさ、昔を思い出すね。」
サスケ君がいた頃を思い出して少し切ない気持ちになりながら、
それでもいつかまた同じ時間を過ごせると信じてラーメンを啜る
「ナルトさ、私が治療してた時、サスケに近づけた気がするって笑ってたの。あんなに大怪我してたのに」
「サクラちゃん…」
「…へへ、ごめんね!私たちも強くならないとね!」
サクラちゃんは一瞬表情を曇らせたがすぐに笑顔に戻った
サスケ君を追い続ける事に、無意識に迷いがあったのかもしれない。
「サクラちゃん。私ね、一時期サイと同じ暗部に所属してたの。あの時の話はほとんど話してなかったよね。」
一瞬サクラちゃんは驚くと、うん、と短く返事をしてくれた
「私が元々いた第九班のみんなはね、私以外みんな死んだの。私の目の前で。
私だけ生き残ってしまって、それでここにきた。
それなのに第七班でみんなが私に優しくしてくれて。
こんなに優しい世界にいちゃダメだ、守られる側にいる権利なんかないって思って。
それであの時木の葉を下から支える暗部に行く事にしたの。
汚れ仕事だってなんだって、木の葉のためならなんだってするつもりだった。
でも、そこでも親友を失った。」
「えっ…」
「サクラちゃんとナルト君に嫌われたくなくて、ずっとそのこと話せなかった。守られてばっかりの自分が嫌で仕方なかったの。
でもね、今回ナルト君たちと一緒に戦って、守る側の気持ちも少しだけ、わかった気がして。」