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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第12章 草の壁


楓side



傷だらけのシカマル君、サクラちゃん、そしてサイが戻ってくるのを見えると
サクラちゃんはすぐさまナルト君に駆け寄った
シカマル君にはイノちゃんとチョウジ君が駆け寄るのが見える。

「サイ…!無事でよかった…」

私はサイの方に駆け寄ろうとするが体に力が入らずよろけてしまう

「楓、大活躍だったんだね」

そんな事を言うサイは思ったよりも元気そうで、
きっとサイも大活躍だったのだろうと嬉しくなる

私がもし活躍できていたのならサイのおかげだよ、とお礼を伝えていると
カカシ先生が近づき私を抱き寄せた

(えっ…!?)

突然の事で頭が白くなる

(嫌だ…考えないようにしていたのに…っ)

こういう事をされると嫌でも先生を意識してしまう

サイと先生が何かを話しているのがわかりつつも私は考えちゃダメだと思うばかりでパニックになりかけていた

(嫌だ、優しくしないで…特別扱い…しないで……)

そんな事を思っているとイノちゃんのみんなを呼ぶ声が聞こえた

皆んながイノちゃんの方に向かって歩き始める

「…サイっ!」

私は自然に彼の名前を呼んで、カカシ先生の元を離れ彼の横を歩いた

「楓…。ごめん、さっきは僕カカシ先生に失礼な事を言っちゃった」

サイはそういうと申し訳なさそうに視線を落とす

「ごめん…私、それどころじゃなくて…2人の会話聞けてなくて…その、パニックになりかけちゃって」

サイは一瞬驚くとすぐに大丈夫?今は平気?と持っていたお水を渡してくれた

(私はやっぱり、カカシ先生が大好きなんだな…)

もらったお水を飲みながら自分の心を整理し、小さくため息をついた

「サイ、ごめんね、ありがとう…」

ちらっと後ろを振り返りカカシ先生の方に視線をやるがカカシ先生と私は目が合う事がなく
辛そうに胸の辺りをおさえ下を向いている先生が見えた

(怪我をしたのかな…心配…でも……)

今彼の近くに行ったら自分の気持ちがまた溢れそうで
私は彼に近づく事ができず帰路に立った。
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