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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第12章 草の壁


飛段と呼ばれる男の技は相手の血を舐め、円陣の中で自らを痛みつける事で
自身が舐めた血の持ち主に同じ攻撃を与える技だった。

そのため、飛段を影真似の術で角都から離したシカマルには、先ほど物理攻撃を与えた時に取った角都の血を持たせて
シカマルは自分の血に見せかけて、角都の血を飛段に舐めさせる作戦をとっていたのだ

自分が仲間の血を舐めているとは知らずにあちらでは飛段が自らの心臓を貫いたのだろう

「まさか…お前……」

左胸を抑えて苦しむ角都からすかさず距離をとる

「ふふ、俺の心臓をふたつも……久しぶりだよ、これは…」

不気味な笑みを浮かべる角都はまだ余裕そうだった

(実際あいつにはまだ心臓は3つ残っているからな…どうするか…)

ズゾゾゾゾと音を立てて黒い影が角都の体から出る

シュルルとちいさな音が耳元で聞こえた時には角都から出た黒い影に体がつかまれていた

(しまった…!)

「う、動けないっ…!」

イノが叫ぶ

(まずい…っ!)

角都から面がついた黒い影がすごい速さで近づく

「速い…ッ!」

間に合わないーーーーーーー

目の前にたくさんの花びらが舞う

(これは…っ)

その瞬間今度は足元からシュルルと音が鳴り目の前で大きな爆発音がする
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