第12章 草の壁
カカシside
先ほど自分が心臓を貫いたはずの角都という忍は何食わぬ顔で立っている。
どうやらこいつはいくつも心臓を持っていて、他の忍の心臓を取っては自分のものにしていることがわかった。
しかもその心臓それぞれが異なった性質を持っている。
(残りのチャクラは少ない…厄介だな…)
おまけに角都と連携をとる飛段という男は不死身ときた。
心臓の替えがきくことを考えるとこの2人は不死身コンビというわけだ。
(こいつが…アスマを殺した…)
怒りや悔しさが込み上げる。
飛段の能力は最初の接触でシカマルたちがしっかり把握できていたが
角都がいくつも心臓を持っている事は想定外だった。
オレたちは作戦をじっくり考える時間もなく
シカマルの咄嗟に考えた作戦に沿って相手2人をバラバラにする事にした
土遁の面、つまり土遁の力を持った心臓は貫いたが
残り四つの心臓は角都の体に入ったままだ
(次は何がくる…?)
そう考えると同時に角都がものすごい火力の火遁の攻撃を繰り出す
(まずい!)
「水遁・水陣壁!」
咄嗟に水の壁をつくるものの、角都の風遁と火遁を加えた技には自分の水遁だけでは敵わなかった
一瞬の油断で体が宙に舞う
「…くっ………、ぐあっ…!」
ズドン
宙に舞った自分の体は次の瞬間思い切り地面に体が打ち付けられる
目の前には緑色の薄気味悪い瞳が倒れた自分をのぞく
「ふっ…貰うぞ、お前の心臓…」
(クソッ、体が動かな…)
角都が自分の上に馬乗りになり手を上げた瞬間だった
「ぐはっ…」
角都は左胸を抑えて動きを止める
(シカマル……やったのか?)