第12章 草の壁
「なんか、楓が元気そうでよかった。」
帰り道サクラちゃんが呟く
「みんなのおかげだよ。それに今はカカシ先生と一緒に修行もしていないから、考えないようにするのも前よりは簡単になったし…
「…それに、サイがずっと一緒にいるもんね?」
話途中にサクラちゃんははにかんだ笑顔でこっちを見る
「さ、サイとは本当に付き合ってないんだよ、今日はなんかたまたま、流れであんなことになっちゃって」
それに、サイは私が笑っていたら今のままでいいって言っていたけれど、どうしても申し訳ない気持ちが拭えず
私はどう関わるべきなのかまだわかっていない
「サイさ、私といる時あんな顔しないんだよ、楓。」
「…えっ?」
「感情を今まで殺してきてたからかな?まだ私たちとどんな距離感で接すれば良いのかわからないのかも。
暇さえあれば友達と仲良くなる方法とか書いてある本読んでるしね!
…でもさ、楓といる時の彼は、そんな本全く必要ないように見える。」
(そんな、サイはそんな本読んでたの?)
「楓が思っている以上に、サイも楓に助けられてるんじゃない?
私もサイのおかげで楓が最近なんか幸せそうだし、感謝だなぁ。」
サクラちゃんは私とサイの関係を応援してくれているんだろうなと思う。
「サクラちゃん、いつも本当にありがとう。」
そういうとちょうどサクラちゃんの家の前まで来ていた
「まぁさ、楓の気持ちが一番大事だけど、
本当にあいつは楓の事、大切なんだろうなぁって思うよ。
……まぁ…カカシ先生も、そう見えてたんだけど…ね。」
少し切なそうな顔をしてそっとそう呟くと
サクラちゃんはじゃあ、またね!と家へ帰って行った。
(カカシ先生…会いたいな…)
どうしてもそんなことを思ってしまいながら、私も帰路に立った。