第11章 君のくれた笑顔を君に
一通り話し終わって涙もひいた頃、最初に口を開いたのはサクラちゃんだった。
「楓は悪くないよ…あれだけ長く好きだったんだからそりゃしんどいし誰かに頼りたくなるよ。」
サクラちゃんはすごく辛そうな顔をしながら私の手を握ってくれた
「でもさ、サイは楓のはけ口でいいって言ってくれてたんでしょ。
楓の気持ちが追いついてなくても、自分の存在で楓が楽になるなら、幸せになるなら、それでいいって。
アタシ、そこまで言ってくれてるならサイに頼ってもいいと思うんだけど…」
テンテンちゃんがそういうとイノちゃんもウンウンと頷きながら続いて言葉を紡ぐ
「楓はちょっと潔癖なんだよ、男女のそういうのって、そんなもんだと思うよ。それに話を聞いてるとサイは本当に楓の事大切に思ってくれてると思うし。楓もサイのこと、異性として見ようとしてもいいんじゃない?私はそれをサイを利用してるとか思わないし。」
「わ、私も…寧ろサイくんと向き合うとしたら、まずは彼の気持ちを理解することが大事なんじゃないかな……とか思う…!」
ヒナタちゃんも続いてアドバイスをくれた
「ま、ろくに恋愛してない私たちがいうのもアレなんだけどさ!…あ、ヒナタは違ったかぁ〜!」
イノちゃんがそういうと話の矛先はヒナタちゃんになり気づけば外も夕日でオレンジ色に染まっていた。