第10章 交差する想い
温かい飲み物を飲み終わると睡魔が襲ってきた
「ふぁぁ〜…」
「大きいあくびだね。」
笑いながら空のマグカップをサイがキッチンへ運ぶ
誰かが部屋にいて
他愛のない会話をして
家事をする音を聞きながら
ソファーでうとうとする…
ただそれだけなのに、
なんだかカカシ先生とご飯を食べたりしていた頃のことを思い出して居心地が良かった。
「………帰りたくない。」
甘えすぎだと思いつつ、ぼそっと呟いてしまうとびっくりした顔で洗い物をしてたサイが振り返る
「えっ…楓…そ、それは……
ちょっ…ちょっとまってて…」
洗い物を片付けたらちゃんと送っていくから、と一言付け足すとまた背中を向けて洗い物をはじめた。
かちゃかちゃと食器の擦れる音を聞きながら
ゆっくり体が沈んでいく感覚に襲われる
「ふぁ…」
コロンっと体を横に倒すといつの間にか私は夢の中にいた