第3章 変化
結局その日私は先生の家に泊まることになった。
布団を並べ、明かりが消えた部屋で横になって天井を眺めていた。
(また、迷惑かけちゃったなぁ…)
先生は最後までどうして来たのか、なぜ泣いているのか聞くことはなかった。
ただただ他愛のない話をして、いつものように時折頭をクシャリと撫でてくれた。
先生もサスケ君がいなくなって辛いはずなのに…
「ねぇ先生……そっちに行きたい。」
「…ん。いいよ、おいで。」
もそもそと布団の中を潜って移動する。
ひょっこり布団から顔を出すと思ったよりも近くに先生の顔があった。
「わっ、ごめんなさい!」
「ははっ、いいよ。ほら、ここに頭おきなよ」
そっと腕枕をしてくれる。
「先生、寝るときもマスクしたまま寝るんだね。」
「楓に見られちゃうと恥ずかしいからねぇ〜。何?見たい?後悔するかもよ?」
「後悔…?なんで?」
「先生、楓にキス、しちゃうかもよ?」
「んなっ…!?!」
(し!至近距離でそんなこと言わないで!?)
「あははっ、冗談冗談。やだなぁ、本気にしちゃった?安心してって。楓と俺は生徒と教師。そんなわけないでしょ〜?可愛いねぇ。」
チクリと胸が痛む
期待してたわけではないけど…先生の口からそれを聞くとやはり少々凹む。
ならどうして…先生はこんなに優しくしてくれるのだろうか、
サクラちゃんにも同じように腕枕をするのだろうか、
いろんなことを考えると、モヤモヤとした感情が次々と出てきた。
(考えるの、やめよ…)
「もう寝ます…。」
下を向いて目を瞑る。
ふわりと前髪を撫でられると
………チュッ。
「……え?」
(い、今…おでこに……キス…、された…??)
慌ててカカシ先生を見るも、先生はすでに目を瞑って何も言わなかった。
(ど、どこまで、振り回すのーー!?!?)
かぁぁっと熱くなる頬を抑え、必死に寝ようと努力をした。