第10章 交差する想い
サイの部屋は正直殺風景だった
モノクロの家具が最低限あり、部屋はすごくきれいに整頓されていた
(というより、物が少なすぎるから綺麗なのか…)
「ごめん、ちょっと座って待ってて」
サイはそう私に声をかけるとガバッとシャツを脱いだ
「へ!?」
思わず目を背ける
「ちょ!ちょっと!!!?
と、突然脱がないで!?」
サイの方をなるべく見ないように、壁に向かって叫ぶ
「え、脱ぐなって、でも僕の服濡らしたのは楓だし…」
ごもっともなことを言われ、うぐっと、声が出る
「で、でも、でも、脱ぐときはその、声をかけてもらわないと…びっくりっていうか…」
(ほんとに免疫がないんだよなぁ〜)
自分で言っておいてなんだか反応してる自分に対して恥ずかしくなってくる。
そんな私が面白かったのか、サイは上半身そのままの状態でソファーの隣に座ってくる
どさっという音とともにソファーが沈み、
体重差で私もサイの方に傾く
「楓のそれは、僕も男として認識してもらえてる、って受け取っていいの?」
「えっ…何言って…」
予想外な一言にびっくりして振り向くと、サイの顔が思ったよりも近くにあって、変に意識をしてしまった