第8章 最終任務
カカシside
久しぶりに楓がオレの横に座っている。
(本当に、楓が手を汚さずに済んでよかった…)
なんでも信じて頑張ってしまう楓だから、間違った方向に頑張ってしまったのだろう。
(オレは一教師として、しっかりと楓から目を離さないようにしないとね)
そんなことを考えながら楓の頭を撫でていた
「先生、サイのことは聞いた?」
「サイ?」
「うん、同じ根に所属してる子なの!私が根に入ったから今は7班にサイが入っているんだよ。」
「そうか…そこらへんの話は全然聞いてなかったな…ダンゾウがなにか裏で手を回したのかもな…。」
本当になにも知らなかったことに驚く
「それで、その子がどうしたの?」
「うん。サイはね、本当はすごく優しいのにうまく人に甘えられないんだと思うの。だから、仲良くして欲しいんだ。私が置いた花もサイと一緒に見つけたんだよ」
「あはは、やっぱり楓、何も知らないままあの花を置いてったのね。」
え?とキョトンとした顔をする楓を見て安心する
まるで”悲しい別れ”を否定するように先程の騒動であの花はバラバラになり、今はオレの横のゴミ箱に入っている
「なんでもないよ。」
(ハナニラ…ねぇ。もうあの茎から匂うニラ臭も、悲しい別れも、たくさんだな…)
不思議そうに顔を覗き込む楓をオレはもう一度しっかりと抱きしめた。