第8章 最終任務
楓side
次の日私は約束通りカカシ先生と、ダンゾウ様のところへ向かっていた
「本当に大丈夫なの?先生、まだ全快じゃ…」
「もーーー。何度も何度も言わせないの。大丈夫だから、先生に任せてよ、ね?」
久々に先生と一緒に歩く大通りは、なんだか狭くなったように感じた。
(昔よりも体が大きくなったからかな…?)
顔を上げると近くに先生の横顔が見え、あの頃は見えなかった景色に少しだけ先生に近づけたような気がして、くすぐったくなる。
すき。
対比しているかのように、
当時から自分の気持ちはちっとも変わっていない。
「わたし、本当にどうかしてた。」
「ん?どうした?」
立ち止まった私に気づき、先生は歩を止め振り返る
「先生、私が昔いった言葉、覚えてる?」
「昔いった言葉??いつ?」
「……先生、大好き。
……って、ね。
あの日、その夢を見たの。
私の親友が亡くなった日。
いつだって、先生は私のことを助けてくれてたんだ。
あの時、私はあの夢を見ている時、幸せだったの。
だけど、目の前で起こることばっかりに意識がいって、いつの間にか一番大事なものを忘れてて…」
カカシ先生は驚いた後、真面目な顔になって私に近づいた
「わかってるよ。気づけてよかった。」
今なら、言える気がした。
ずっと、秘めていた気持ち、想い…
「カカシ先生、あのね、私…
ずっとずっと、前から…
カカシ先生のことが……」
好き、
そう言おうとした時、先生はわざと遮るように言った
「オレも好きだよ、オレにとって、楓は最高の生徒だよ。そうでしょ?」
(まただ。そう言って、頭を撫でるんだ)
先生は私の予想通り私の方に手を伸ばす。
(ほら、ね?)
私は涙が出そうなのをこらえ、
またその優しい掌を受け入れた。
いつか、私が生徒の枠から外れることはあるのだろうか?
諦めないといけない。
そんなことはとっくにわかりつつも、好きという気持ちはどうにもならなかった。