第4章 雪兎李様 紫之創
「ボクは創くんの近所に住んるんです。このボクってのは癖なので、気にしないように。」
軽く自己紹介を終えた。
「何で不法侵入してきたんだ?バレたら大変だぞ~。」
「あはは、創くんが見えたのでつい…。でもまぁバレてないんだから気にしない気にしない!」
「創、本当にお前の彼女か?」
友也が詰め寄るも創は元気良く肯定する。
「でも怒られたりしたら大変ですし、もう帰った方が良いと思いますよ?」
「それもそうか。じゃ、バイバイ皆さん!」
彼女は再びフェンスを飛び越え普通科へと帰っていく。
「嵐のような子だな…」
「元気いっぱいなんだぜー!!!」
「そういうところが可愛いですよね!」
「…ちょっと賛同できない」
三人は創の新たな部分を垣間見た気がした。
ボクの好きな人は、ふわふわしてる。
ちょっとのろのろしてるけど、そこが可愛い。
可愛いって言ったら怒るから最近は言わない。
ボクの好きな人だけがボクを肯定してくれて、
ボクの好きな人だけがボクに話しかけてくれて、
ボクの好きな人だけがボクを見てくれて、
ボクの好きな人だけがボクの側にいてくれて、
ボクの好きな人だけがボクをボクにしてくれる。
例えば、そんな世界。
夢みたいな世界。
でも。
その世界に、彼以外はいない。