第4章 雪兎李様 紫之創
爪先からトン、と着地する。
ふわりとスカートがひるがえった。
全員が息をのみボクを見る。
……………うん。当然だ。
「ふ」
息をのんでいたうちの一人、男の子が声をあげる。
「不法侵入者らーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
おかしなかみ方をして、そう叫んだ。
「何であんな高いフェンスを飛び越えちゃうんですか!!」
珍しく大声で怒鳴られた。
「だって、急いでたから」
しかしこちらも負けていない。
夢ノ咲学院普通科に所属する身分でありながらなぜアイドル科の校舎にいるかというと、彼に会うためだ。
紫之創。
「危ないですよぉ!ちゃんが怪我したら僕悲しいです……!」
「えぇ…!!それは私も悲しい……!」
二人で目元をうるうるさせていると、
さすがにまわりの人間が割って入ってきた。
「ちょっ、お前誰なんらよ!」
「初めまして、普通科一年です!創くんとお付き合いしています!」
「お付き合いだかなんだか知らないけど…ッ……………」
「「「えええええええええええええええええ!!!!!!!?????????」」」
その場にいた全員が叫んだ。
その反応に彼の顔を見ると、真っ赤になってうつむいていた。
…………………?
あ、“ボク”のこと言ってなかったんだ。