• テキストサイズ

【イケメン戦国】夢と知りせば覚めざらましを

第17章 【信玄編・後編】※R18※


気が付くと、竜昌の身体はすっぽりと信玄の腕の中に納まっていた。

「…!」

竜昌は反射的にその身体を押し返そうとしたが、瞬時に信玄の怪我を思い出し、その手に最後まで力を込めることができなかった。

信玄の固い胸に押し当てられた竜昌の頬に、どくどくと早鐘のように打つ信玄の心音が伝わってくる。

二人の身体の間にある 一分の隙間も惜しいというほどに強く。しかし一方で、竜昌が苦しくないよう、また少しでも身じろぎすればすぐにでも腕を解けるように優しく。信玄は片腕で竜昌を抱きしめていた。

「りん…」

竜昌の髪に、愛おしそうに頬ずりしながら、信玄は低い声で呟いた。
身体を直接伝わって響く信玄の声が、竜昌の身体の芯にずくりと甘い痺れを生んだ。

自分を請い慕う男の身体がこんなにも熱いことを、竜昌は初めて知った。

その時、ジッという音とともに、囲炉裏の火が消え、小屋の中は闇に沈んだ。小さく火を焚いていたので、おそらく薪が切れたのであろう。

まるでそれが合図であったかのように、竜昌の背中に当てられていた信玄の大きな手が動き出した。その手はそのまま背筋をさすり上げるようにして首まで移動し、竜昌のうなじをそっと押さえた。

次の瞬間、竜昌の唇に、温かく柔らかいものが触れた。

それは最初、まるでその存在を確かめるように竜昌の唇に触れたあと、次に感触を確かめるようにそれを軽く食んだ。

それが信玄の唇であることを竜昌が認識するのに、しばらく時間がかかった。それに気づいた瞬間、まるで電気が走ったかのように、竜昌の身体がびくりと跳ね、同時に喉の奥から切ない喘ぎが漏れた。

「ンッ…」

思わず出た自分の甘い声に、驚いたように唇を引き結ぶ竜昌。
しかし信玄は慌てず、まるで誘うように舌先でちろちろと竜昌の唇をくすぐった。
やがて息苦しさのあまり口で息を継いだ竜昌の唇を割って、信玄の舌がするりと侵入してきた。

「あ、んく…」

/ 372ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp