第12章 【秀吉・後編】※R18
やわらかな唇で耳朶を食むように吸われ、竜昌の腰がまたビクリと跳ねた。
「ハァッ、ハァッ、なんだか…変…お腹が熱い…です…」
秀吉は竜昌の下腹部に手を添えた。すでに熱い蜜がたっぷりと溢れているであろう蜜壺の事を想像すると、秀吉の下半身もまた一段と熱くなった。
秀吉はその手で竜昌の夜着の帯に手をかけると、しゅるりとほどいた。しかしよく見るとその手は左手だった。
「秀吉様…まだお怪我が…」
「ん、問題ない」
少したどたどしくではあるが、左手で丁寧に帯をほどき、竜昌の衣を脱がせると、その胸にきつくまかれたさらし布があらわれた。
そのさらしにも手をかけ、解こうと試みたが、薄暗い行燈の明かりの下で なかなか思うようにいかない。
しびれを切らした秀吉は、近くに落ちていた懐剣を手に取り、その鞘を口にくわえると、すらりと左手で刀身を引き抜いた。
「すまん、」
一瞬、肌に触れた刀身の冷たさに 竜昌は震えあがった。
「…!」
秀吉は切っ先を竜昌の胸の谷間に当てがうと、そのままさらしをギリリと一気に引き裂いた。その下からは、まるで少女のそれのように小ぶりでやわらかな 二つのふくらみが現れた。
秀吉は懐剣をそのまま横に放り出すと、待ちきれないというように、左手で竜昌の胸を掴みあげ、つんと尖ったその頂を口に含んだ。
「アゥッ!!」
竜昌の背が弓なりにしなった。
秀吉が、右手の指先で反対側の頂を軽く弾くと、さらに竜昌の腰が跳ねる。
秀吉は顔を上げてにやりと笑った。
「敏感なんだな…刺激に慣れていないみたいだ」
舌先でくりくりとこねるように頂を舐め上げると、とたんに竜昌の息が乱れた。
「ア…ハッ、ハァッ、…ンッ」
「おっと、寒かったな」
鳥肌のたった竜昌の腕を見て、秀吉は布団を頭からかぶるようにして、竜昌に覆いかぶさった。
二人の視界は闇に包まれる。
秀吉の唇は、暗闇を探るように竜昌の肌をたどり、再び胸の頂に辿り着くと、そこでチュッと音をたてて吸い付いた。