• テキストサイズ

【イケメン戦国】夢と知りせば覚めざらましを

第12章 【秀吉・後編】※R18


「秀吉様」
「何だ三成、お前も賛成派か!?」
「竜昌様も、そろそろこの城に来て約半年。皆様のお役に立ち、手柄を立てたいという逸るお気持ちがあるのも、理解できます」
「そうだぞ秀吉。兄貴なら弟の手柄を後押ししてやれ」
「あいつは今だってすでに十分俺たちの役に立っているだろう!それに俺はあいつの兄貴じゃねえ!」
秀吉が拳で畳を叩いた。
「では小舅殿、他に何か妙案でも?敵が自らその正体を表すまで気長に待ち、その間、舞をこの安土城に閉じ込めておくつもりか?」
「ぁっ…んだとお!?」
揶揄うように言った光秀の襟を、秀吉が掴み上げた。
「そこまで!!!」
信長が鋭い声で一喝した。
秀吉が、しぶしぶと光秀の襟を手放した。光秀は相変わらず、その不敵な笑みを絶やさずにいる。
「ってか、そんなに心配なら、秀吉さんがついていけばいんじゃね?」
家康が、さも迷惑そうに視線をそらしながらそう言うと、武将たちが申し合わせたように頷いた。
「それもそうだな。信長様の右腕である秀吉が側について入れば、身代わりであっても箔がつくだろう」
「おい、ちょっ…」
「竜昌様のお側に秀吉様がいらっしゃれば、まさに百人力ですね」
「仕方ないな。俺の手の者も遠隔からの警護にあたらせよう」
「お前ら待て、なにを…」
慌てふためく秀吉を後目に、信長をはじめとする武将たちの意思は固まったようだった。
意外にも、この作戦にいちばん乗り気なのは、舞だった。
竜昌が、みずから舞のふりをして敵をおびき出す作戦を奏上した 次の瞬間には、竜昌を広間から連れ出して自室に引きずり込み、竜昌の変装を試みていた。
その時、襖ごしに、廊下からトトト…と軽やかな足跡が響いてきた。
「じゃじゃ~ん!!」
何やらおかしな掛け声とともに、舞が広間の襖を勢い良く開け放った。
/ 372ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp