第12章 太宰弟
第三者side
時は12年程遡る_______________
当時裏社会では或る2人の兄弟が噂になっていた。
その噂とは_____
幼い兄弟が毎晩何処からか現われ、異能力者を襲う…
唯の噂であると信じぬ者もあれば、事実であると信じる者も居た。
その2人…太宰兄弟はその夜も異能力者を探し、襲っていた。
兄と見られる少年は幼くも優秀な頭脳を持ち、弟と見られる少年に指示を出していた。
2人は幼いながらにも容姿が優れており、すれ違うものは大方振り返っていた。
特に弟の方は更に優れた容姿を持っていた。
然し真逆こんな子供が異能力者を襲うなど誰が考えようか…。
2人は何事も無かったかのようにその場をあとにした。
主「今日の異能力者…あまり強くなかったね…残念。」
太「嗚呼、そうだね。然し屹度次は少し骨のある者だろう。」
2人がいた場所には気絶した男が倒れていた…。
主「ねぇ、兄さん。如何して大人ってこんなにも醜いんだろう…。」
太「他人よりも秀でたものがあれば…人間は自分を驕り高ぶり、醜くなるのさ。」
主「そうなんだ…それじゃあ、僕達も何時か醜くなってしまう時が来るの?」
太「其れは分からない。然し、劉娥は屹度醜くならないよ。」
主「如何して?」
太「私がそうさせないからさ。」
主「それじゃあ…僕も兄さんを醜くさせない。」
太/主「「約束だよ。」」
僅か齢10と8の子供が交わした約束が漆黒の夜空に溶けて消えた…。
此の2人の噂は当時夜闇を統べていた非合法組織…ポートマフィアの耳にも届いていた。
首「彼らが此方側につけば…ポートマフィアの大きな戦力となる…。彼らを此処へ。」
広「承知致しました。」
ポートマフィアが動き出すと同時に…或る別の組織も動き始める…。
?「彼奴等は我々が手に入れる…そして、この世の全ての異能力者を我々が支配するのだ。」
主「兄さん…何だか嫌な予感がする。近々…不吉なことが起こるかもしれない。」
太「私達に直接関わりのない事であれば善いのだけれど…。兎に角警戒は怠らない方が身のためだ…劉娥の予感はよく当たる。」
その判断は合っていた…なぜなら━━━━━
その数日後に、とある事件が起きたからだ…