第10章 キノコの効果
ガチャッ
扉を開けて、定刻通り国木田さんが出社した。
敦「国木田さん、助けてください!」
早くも助けを呼んだようだが、相手は国木田さんだ。
そう簡単に解決はしてくれないだろう…。
否、早く解決してほしいところだ。
先程から苦しくて仕方がない。
兄さんは国木田さんにちょっかいを出しているようだが、国木田さんは動じず、僕の方に近づいてくる…。
国「おい、太宰兄ならまだしも、お前まで何をしている、太宰弟?」
主「…ぁ…はぁっ…僕はぁ…た、だ…きの、こ…食べ、ただ…け。」
国「おまっ!?何て反応をしている!?如何わしいにも程があるぞ!」
国木田さん…顔を真っ赤にしているけど…僕の方が今は大変なんだ…早く解決するために尽力してほしい…。
主「助け…て、くださ、い…苦しい…いき、できな、い…から。」
国「はあ、お前は少し頭を冷やしておけ。」
え、助けて…くれないの?
そして国木田さんは中島さんと共に兄さんを何とかしに行く。
主「に、さん?」
兄さんが床に叩きつけられた…思わず国木田さんに蹴りを入れそうになったが、直前で止めた…当たったとしても威力は米粒程度だっただろうが…。
太「ん?嗚呼、矢張りこの自殺法も失敗だったか…。…ということは、劉娥は?」
兄さんの振り向いた先には僕がいる…そう、恥ずかしいくらい顔を赤くして息を乱している僕が…。
主「兄さん…くる、しぃ…よぉ…。」
目が覚めた兄さんは僕を抱き抱える…否、僕に強い刺激を与えてしまった。
主「ふぁっ⁉︎…ゃ、に、さん…。」
他の2人は顔を更に紅潮させて此方を見ている…恥ずかしいのは此方の方だ。
太「私が何とかしよう…医務室に運ばせてもらうよ。」
そうして僕は兄さんに抱えられて医務室へ連れていかれた…意識が朦朧としているけど。
ボフッ
与謝野先生は今日は遅くに出勤らしい…。
それを利用してか、僕は医務室の寝台に置かれた。
主「ぁ…兄さん…はや、く…。」
兄さんは1度部屋の外へ行き、医務室へ近づかないよう言った。
兄さんの言うことだ…屹度誰も近寄らないだろう…。
太「これで誰も近寄らないだろう…却説、劉娥?君をこんな風にしたのはキノコを食べさせた私の所為だ。私が責任を取るよ…。」