第9章 ウチの名探偵
急いで自分の方の片付けを終え、江戸川さんと電車案内係として同行した中島さんの向かった先へ行った…。
ここに来れたのも兄さんのおかげ。
-回想-
片付けも終わったのに社から出られない…。
理由は簡単…国木田さんが僕に仕事を次々と回してくるから…何処のブラック企業だか…。
そんな時…
太「何時も以上にやる気が出ないよ、国木ぃー田くぅ〜ん。」
兄さんが国木田さんの邪魔をして僕に目配せをする。
"行っておいで、劉娥。"
そう言ってくれている気がした…僕は頷いて忍び足で社から出る。
-回想終了-
こうして僕は江戸川さん達の所について行ったのだ。
事件は簡単…女性が胸に3発の銃弾を受けて死亡。
それを川に流して発見された。
主「面倒な事になりそう…。」
敦「え!何で?劉娥さんが此処に!?」
江「矢張り来てくれたんだね、弟くん!」
その呼び方…
主「少し見学に…それと、この後僕は此処で大切な用事があるので…。」
江「そうだろうね。それじゃあ劉娥は僕の仕事を見学するといい!」
主「ありがとうございます…。」
大切な用事…用事ではないけど、大切な人に会えるんだから。
そう思えるのは僕だけ…。
警1「警部!網に何かが掛かりました!」
時間になった…そろそろ来る、会える。
敦「まさか、第2の犠牲者!?」
違うよ、中島さん…。
その異物の正体は…
太「やあ、敦くん。」
そう…僕がずっと会いたかった兄さん。
僕が探偵社を出たあと暫くして兄さんが社を出る…その後兄さんは川に浮かびたい気分だろうから川に入る。
そして流れ着いた先は此処…僕は兄さんとのアイコンタクトで直ぐにこの一連の流れを読んだ。
太「嗚呼、何故このような美しい女性がこんなにも酷い殺され方を…私と心中してくれれば良かったのに…。」
主「兄さん…兄さんと心中するのは僕だよ。若しそれが叶わないなら、僕が女性と心中する。」
太「それは私が許さないよ、劉娥。君には私がいるだろう?」
主「そのまま返すよ…兄さん。」
兄さんに勝てた…気がする。
急に兄さんの表情が変わり、遺体の方を見る。
太/主「「彼女…良いものを持っているね。」」
周りにいた人(江戸川さんを除く)は皆首をかしげていた。