第6章 中島敦の初任務
劉娥side
兄さんが…僕に接吻を…?
明日兄さんに聞いてみようかな…否、屹度聞かない方がいい。
兄さんの思考を邪魔してはいけないから…。
翌日
いつも通り出社してまず初めに向かったのは…医務室。
主「失礼します…谷崎さんたち、大丈夫ですか?」
国「嗚呼、劉娥か。小僧はこの通り。谷崎なら今隣だ。」
その直後、谷崎さんのと思われる悲鳴が聞こえた…お疲れ様です。
そして今気がついた…国木田さん、眼鏡上にあるし…手帳も逆ですよ…。
この時僕は少し魔が差した…何も言わずに居よう。
主「無事そうで何よりです…それでは、仕事に戻ります。」
国「嗚呼。」
自分の机に戻ったものの、仕事が少ない…。
正直暇である。
主「兄さん、どれ位でその仕事終わる…?」
太「如何したんだい、劉娥?私とデートでもしたくなったのかい?」
主「うん…。」
流石兄さん、何でもお見通しだ。
あれ、兄さんの顔が赤い…熱?
主「如何したの?風邪…引いた?」
太「そんなわけがないだろう!さあ、早く行こう!」
主「うん…!」
今日も兄さんと一緒にいられる…それが僕の幸せ…。
太「今日はどこに行こうか〜♪」
今日は兄さんの機嫌がいい。
此れはいい機会だからちゃんと兄さんに甘えておかないと…。
でも、いざとなると…恥ずかしい。
主「兄さんと一緒なら…何処でもいい…。」
…言ってしまった。
屹度今の僕の顔は赤くなっているだろう。
太「それは嬉しいことを言ってくれるね。」
主「兄さん…嬉しいの?」
太「勿論、愛しい劉娥にこんなことを言われて、嬉しくない訳がないだろう?」
そう言いながら兄さんは頭を撫でてくれる…。
そのせいで僕の頬は勝手に緩んでしまう。
太「じゃあ、何処か喫茶店にでも行こうか、また紅茶を飲みに行こう。」
そんな時にまた僕の携帯電話が鳴った…。
国木田さんからだと思う…そんな気がする。
太「出ても良いよ。大方国木田くんだろう。」
主「うん…。」ピッ
一応耳から離して出る。
主「もしもし… 国「おい、ミニ包帯、お前今何処にいる!?」…会社から少し離れた喫茶店に向かっていました。」
国「太宰はそこにいるか?」
主「はい。」
国「ならいい。仕事が入った。」