第6章 やっぱり好き。
遥side
「ごめんなさい。気持ちは嬉しいんですが・・・」
これで何人の告白を断ってきただろう。
僕はまだ、坂間さんの事が好きだ。
叶わないと分かっていても、好きという気持ちは変わらなかった。
「・・・ふぅ・・・」
「ため息か?」
「っ!中原さん!」
「お前も大変だな。」
「えぇ・・・まぁ。申しわけない気持ちでいっぱいです。」
中原さんと部屋までの廊下を歩く。
「誰と付き合おうが遥の勝手だが・・・ヤクザと関係を持つのはそれなりの覚悟がいる。あまり勧めることは出来ないな。」
「心配して下さってありがとうございます。大丈夫ですよ。現に断ってますし。」
「・・・そうだな。」
中原さんが何か言いたそうにしている。
「どうかされました?」
「いや・・・何も無い。じゃあな。」
「はい、お仕事頑張ってください。」
僕は早めに休もう。
もう時期ヒート期だ。
部屋に閉じ籠もっておかないと。