第4章 不運
遼side
遥から「ありがとう」と言われた。
嬉しい。
口元を隠してニヤけてしまう。
「坂間さん?」
「っ!・・・なんだ?」
「僕は・・・皆さんみたいに仕事しなくていいんですか?流石に僕も何かしないと申し訳ないです。」
「お前は何もしなくていい。ただ、この屋敷にいてくれ。ここは安全だ。」
「・・・そうですか。」
少し残念そうな表情を浮かべる。
働きたいのか?
けど、俺らの仕事は危険すぎる。
「皆さんはどんな仕事を?」
「そうだな・・・金貸し、キャバクラ、ギャンブル関係・・・色々だ。金貸しは借金返済させることが1番の目的だ。」
「え、それってよくテレビとかで見る・・・」
「あぁ、そうだ。」
遥の顔色が悪くなる。
「そう怖がるな。」
「人を殺したりとか?」
「あー・・・まぁ・・・それなりに。けど、それは自分の身を守るためであったり、仲間を助けるためだったり・・・まぁ、殺しに関しては俺は一切口は出さねぇよ。好きなようにさせている。」
「そうなんですね・・・僕も・・・同じようなものです。」
「どういう事だ?」
「あ、いえ・・・言いすぎました・・・」
俯きながら腕を寒そうに摩る。
何か過去にあったんだろうが、あえてそれは聞かないでおこう。
遥は話したくなさそうだ。
「いや、いい。無理するな。今日は歓迎祝するんだろ?」
「知ってたんですか?」
「聞こえてた。ヘマしないようにな。飲みすぎはよくないぞ。」
「・・・坂間さんは来ないんですか?」
「・・・俺が来ても楽しくないだろ。」
「そ、そんな事・・・ない・・・と思います・・・」
声が小さくなっていく。
「・・・時間が取れれば行く。」
「はい、是非来てください。」
少し嬉しそうに俺を見つめる。
俺・・・行ってもいいのか?
けど、行けば遥は・・・
どうしようか。