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【R18】最高の結婚

第1章 縛り


静かな部屋。
別に寂しい所ではない。

どちらかと言うと、高そうな物が置かれた豪華な部屋。

けど、こんな所僕は知らない。
僕の部屋は平凡な物。

ベッドからおり、部屋の中を見渡す。
凄く綺麗で埃1つ落ちてない。

扉から外に出てみようとドアノブに手をかける。

・・・開かない。
鍵がかかっている。

よく考えたらこの部屋窓がない。

僕、監禁された?
いや、でもそれなら手とか縛るはず。
こんなに自由に動き回れるようにはしないよね。


「あ、あの・・・誰か・・・いますか?」

扉の向こう側から2人の声がした。

『ん?起きたか?』

『みたいだな。親分呼んでくるか。』

お、親分?!
ここって・・・もしかしてヤクザのアジトとか?!

だったら逃げなきゃ!
僕、殺されちゃう!!

でも逃げ道はない。

っ!
足音が近づいてきた。
扉の前で立ち止まり、鍵を開ける音がする。

もう・・・駄目だ。
僕の人生、ツイてないことばかりだった。

扉が開き、入ってきたのは想像してた人よりは若くてスラッとしていた。
けど、顔は怖い。

僕は恐怖のあまり腰を抜かしてしまった。

「あ・・・ごめ・・・なさ・・・」

何故か謝罪の言葉しか出ない。
人間は身の危険を感じると反射的に謝ってしまうのかもしれない。
涙が溢れ出てきた。

高校生にまでなって泣くとか・・・ダサすぎ。

「篠田 遥。」

僕の名前・・・なんで知ってるの?

男の人は僕の前に屈む。

「は、はい・・・」

「俺の妻になってくれ。」

え・・・妻って・・・
でも断ったら何されるか・・・
後ろの人達も凄く睨んでるし。
殺される想像しかできない。

「・・・はい・・・」

答えた瞬間それまで以上に涙が溢れ出てきた。
結局、受け入れざるをえなかった。

この人、ヤクザの親分であり、αの人間だ。
Ωの僕にはとても逆らえない。
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