第11章 幸せな家族
幸希side
「ただいま・・・」
「幸希!よかった!」
遥が出てきて抱きついてきた。
後ろから親父も出てきた。
「ごめんね、叩いちゃって。痛かったよね。」
「・・・ううん。平気。」
「もっと幸希の話ちゃんと聞くべきだよね。」
遥を俺から引き剥がし、2人に頭を下げる。
「ごめん!酷いこと言って!」
「幸希?」
「・・・何も知らないくせに勝手な事言った。これからまた大変かもしれないけど、少しずつ慣れていくよ。その・・・親父にも。」
「こう・・・き・・・」
え?
親父が抱きついてきた。
「ちょっ!くっつくな!キモイ!ウザイ!」
「遥には何も言わないくせに・・・」
「遥は別だよ!」
はぁ、これから大変だな・・・
胃が痛くなりそう。
「あっ!そう言えば!これ!」
遥が俺の前に紙を出してきた。
手紙?
『検査結果』
あ・・・忘れてた。
「その・・・先に見ちゃった・・・」
「そう。で?どうだったの?」
「・・・それが・・・」
何で2人とも顔見合せてんの?
すごい言いずらそう。
「・・・αだって・・・」
「・・・ふーん・・・別にΩじゃないなら苦労しないじゃん。」
「そ、そうだけど!僕Ωだからその・・・ヒート期が・・・」
あ・・・
まぁでも・・・親父いるし・・・
「それは俺が番にするから問題ないだろ。」
「なっ!子供の前でっ!やめてよ!////」
「いや、もう見られてるから問題ないだろ。」
「あ・・・そうだった・・・」
遥がショックを受ける。
別に俺も見たくなかったよ。
「じゃあ、今日は2人でゆっくりしてきなよ。俺がいちゃ気まずいだろうから家で大人しく1人でいるし。ホテルでもどこでも。」
「幸希の口からそんなの聞きたくなかった・・・」
更に遥がショックを受ける。
にしてもαね・・・
気にしてないけど、周りのヒート期に気をつけねぇとな。
・・・待て、おじさんは確かα。
俺もα・・・
最悪だ・・・
はっ!
待て・・・待て待て待て!
だからっ・・・違う!
そんなんじゃっ!
どうしたんだよ・・・俺・・・
この馬鹿夫婦のせいでおかしくなったんだ。
間違いない。