第2章 How are you、Girl
シャネル家が開いた茶会から数ヶ月。双子の姉弟は無事、魔法騎士団に入団し著しい功績挙げシェリーは三等中級魔法騎士、チェリーは一等中級魔法騎士への昇格を果たす。
「くっ…同じ双子なのに…」
「いやいやー騎士団に入団して数ヶ月で中級は早すぎるくらいだからね?」
「おー、そうだぞー!もう俺に追い付きそうじゃねぇか」
『ヤミ抜いちゃうもんね!』
「ほう…言うようになったじゃねーか小娘」
『一個しか変わらないから小娘じゃないもん』
いーっと舌を出すとそっぽを向く。そんなチェリーの頭を乱暴に撫で回すヤミ。
「15歳のくせにこんなに小さいんだから小娘だろ?」
『140cmだもん、伸びたし!』
「俺165cm」
『双子なのにどうしてこんなにも違うの!?』
-ぎゃあぎゃあ-
「いやぁ…仲が良くていい事だ」
※※※
「って事があってさー」
"笑っちゃうだろ?"と菓子を頬張りながら書類を書き綴る。
「食べるか書くかどちらかにしろ」
「気にすんなって!二人はどうなの?上級になったんだろ?」
幼少から三人で競い合ってるのもあるから仲は悪くは無い。入ってる騎士団もバラバラだから最近は会って共に鍛錬する機会も減ったが休暇が重なればこうして集まる事もある。
「あ、そういやこの菓子、姉君が作ったんだぜ?食ってみ?美味いから。最近料理がブームらしいんだわ」
-バタバタ-
-バァン-
一同「!?」
『ちょっとシェリー!アンタこの報告書間違ってる!』
勢い良く部屋に入ってきたのは双子の姉であるチェリー。チューブトップにショートパンツと言うとても淑女が召される格好では無い。
『あ、フエゴとノゼルも来てたのね!いらっしゃい』
逆にチェリーとは出会う機会が多少あり、慣れてくれたのか以前の様な挙動不審や人見知りが無く明るい笑顔で挨拶をしてくれる。
「えー、何処?」
『ここ!明日までに直しといてよ』
「え、姉君は?」
『仕事。賊退治の任務があるの』
「ふーん、そっか。おやつなんかあるの?」
『勝手にキッチン探して下さーい』
呆れた様に頭を抱えながら言うと窓を開けて身を乗り出す。
『もーしっかりしてよ?ユリウス団長困ってるから』