第1章 Nice to meet you、Girl
「はっはー!姉君お転婆だって!お淑やかにだって!」
ドサッと侵入者を地に這いつくばらせるシェリーは高らかに笑う。
「で、コイツ等何なの?」
『アタシの事が物珍しかったみたい』
「そりゃそうだろうな、やっといらっしゃいませーこんにちわーだもんな」
『馬鹿にしてるの?』
「いやいや、そんな事は無いぞ姉君!じゃあ俺、後処理するし二人共姉君の事頼むわ」
『え、ちょ…』
「まーたお転婆してもらっても困るしぃ?」
「「………分かった」」
『え!?』
せめて自分で歩かせて!?
※※※
『あ…ああああ、有難…御座いました!ご迷惑をおかけして、も…ももも申し訳ありませんでした!』
上擦った声で挙動不審になりながら礼を言って逃げる様に扉を勢い良く閉める。挨拶の時は饒舌だったが人見知りと言うのは本当なのだろう。
「おー、姉君の事サンキューな!」
「何故我々に頼んだ。貴様がやればいいだろう」
「いやぁ…だって後処理は俺の仕事だし」
ピリッとした魔力が肌に突き刺さる。
「尋問でもするのか」
「尋問?いやいや何生温い事言ってんの?姉君を狙う輩は拷問と言う名の死だよ」
姉の話をするシェリーはいつも楽しそうで自慢げに話すが…何故こんなにも憎悪に満ちているのか。
「今後…姉君を狙う輩は増える」
「何故?」
「そりゃそうさ。姉君の魔力は世界を滅ぼす爆弾に成りうる」
「「!?」」
「そうさせたのは俺達の一族………あ、これ秘密な」
寄りかかっていた壁から背を離すと歩き出す。
「姉君は…チェリーは俺が守る」
何かを守りたいと思うのは愛情。
だけどシェリーが姉を守りたいと思う愛情は家族愛とは違う感じがした。
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