第5章 Welcome back、LittleLady
『あー。これか』
「どれ?」
『これ。中立地帯の村にある魔法具の回収でしょ?』
「あー!それそ…」
窓からか差し込む陽の光の逆光で成長した身体がより艶めかしく浮き上がる。顔はまだあどけなさ残っては居るがシルエットは立派な女性。たった一年でこんなにも変わるものなのか。
『空間の魔法具か…まぁ希少っちゃ希少よね。でもランクは低そうだけど…回収する価値あるのかなぁ』
「………」
『シェリー?』
「いいから服を着ろぉ!!服をぉぉお!!!」
シェリーの叫び声が屋敷中に響いたのは言うまでもない。
※※※
『ったく何を今更恥ずかしがってんだか…所詮姉の裸でしょ』
呆れたように溜息を吐くとバスローブを羽織ったチェリーは器用に髪の毛をタオルで纏める。
「仮に姉弟だとしても…!」
「「仮に…?」」
「あー、いや…じゃなくて!この二人も居るんだぞ!?」
『子供じゃないんだから女の裸なんて見慣れてるでしょ』
特に気に止める様子も無く例の書類をシェリーに押し付ける。別に見慣れてない訳では無いのだが………情欲をそそられたのは紛れも無い事実。
『しかしまぁ…』
一同「?」
まだあどけなさを残す目と視線が絡む。
『一年そこそこじゃ皆変わんないねー!あ、でも何か皆身長縮んだ?』
一同「縮んで無い」
『え?そう?何かもっと大きかった気がしたんだけど…』
「逆だよ逆!姉君の身長が急激に伸びたんだろ」
『………え?そうなの?』
怪訝そうに眉根を寄せると小首を傾げる。こう言う仕草は変わらない様だ。可愛らしさにほんの少しの色香が混ざったくらい。
「後で身長測ってもらえよ。ついでにスリーサイズもな」
「「!?」」
『スリーサイズ関係無くない?』
「おまっ…!?仮にも女だろ!?下着くらい気を付けろよ」
『………お母さんみたい』
「うるせぇ!」
バンッと机を叩くと踵を返して足音荒く扉まで行く。
『はいはい。じゃあ三人共、お仕事頑張ってね』
ひらひらと手を振る彼女は悪戯っ子の様に微笑んでいた。
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