第6章 協同×デ×競走
「ゴールおめでとうございます。 2番目の到着です」
「え、2番目?」
慎重に進んだとはいえ、決してウロウロしていたわけではない。
むしろ早すぎる到着だとすら思ってる。
もっと時間が掛かってもおかしくない。
なのに自分達より早く到着したチームがいるだと。
一体どんなチームだろうか。
「残り時間は中で自由に過ごして下さい」
「ありがとうございます」
乗船し、1位だったチームを探し回っていると、食事処で見つけた。
「ヒソカ!」
そうだった、
「やあ♣︎」
何でも出来てしまいそうなこの奇術師がいたではないか。
窓辺の席に座って手招きしている。
「早いね」
「キミだって早かったじゃないか♦︎」
そういえば、ヒソカのチームメイトは大丈夫だったのだろうか。
姿が見当たらないけど……
「チームメイトとは仲良く出来てたの?」
気になっていた事を聞いてみた。
「………………もちろん❤︎」
絶対嘘だ!
あ、目的地に近づくにつれて生き物の気配がなかったのって、もしかしてヒソカの殺気のせいだったりして。
メンバーに向けて殺気………ヒソカならあり得る。
彼のチームメイトが見当たらないのは、ヒソカに殺されない為に避難したのだろう。
まあ、そのお陰で楽出来たんですけれどもね。
「そういえば、キミのチーム1人多かったね。 彼はどうしたんだい?」
「死にそうになってるのを助けたんだ」
「ふ〜ん」
質問したくせに全く興味なさそうだ。
「という事は、キミ達どのチームとも戦ってないって事だね♠︎」
「どうして分かるの?」
なぜヒソカは確信を持って言い切れるのだろうか。
今までの会話の中でそれらしい言ったっけ?
「あのナビは、最低でも1チームと遭遇するように設定されていたのさ♠︎」
「え!?」
ヒソカによると、ナビは目的地への道を示しつつ、私達が気付かない内に他のチームと道が交差するように調節されていた。
だから私のチームは、イモリ達のチームと遭遇したのか。
彼らのナビがまだ起動していたから。
そして、私のチームが他のチームと遭遇しなかったのは、ヒソカが辛うじて生き残っていた他のチームを消しながら進んだ為だった。
「ナビがあれば迷う事もないしね❤︎」
「………」
危ねぇ……私達も早く進んでいたら死んでたかもしれない。