第16章 報告(後編) (☆)
「君の主は、素敵な審神者だね」
ドアを出るか出ないかというタイミングでそう声を掛けると。
「あぁ。知っている」
そう、自信に満ちた顔で、彼は言っていた。
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「彼、まだ極めていないハズなのに…最後の言葉、随分と自信のある様子だったね」
あの二人が出て行き、水心子と二人っきりとなった部屋でそう話すと。
清磨…、と低い声で呼ばれた。
「もう二度と、こんな事はしないでくれ」
真っ直ぐ僕を見て、水心子はそれだけ言葉にした。
それだけで十分だった。
ギュっっと握られた水心子の拳が震えてたから。
それで、彼が何を言いたかったのか、分かる。
あぁ、僕は間違えてしまったんだね。
水心子に、そんな顔、させたい訳じゃなかったのに。
「…うん。もう、しないよ。…約束する」
それだけ答えて、僕たちはこの部屋を後にした。
続く。