第12章 霊力 ★
遠征から帰って来てから
ずっと、頭から離れない。
弱まってしまった霊力を取り戻すには
神に身を捧げなければならないということ。
つまり、その…
1つに…
1つにならなくてはいけないということ!
いかがわしい意味で、だ!!
どうする…
する…?
しない…?
するとするならば…誰と…?
「あぁぁぁぁぁ!!!!!!! 煩悩退散!!!!!!」
「主!? どうされたのです主!??」
…はっ。しまった。
今、長谷部くんがいるのだった。
「主、煩悩退散とは…? 詳しく…」
「あ、いや、その…違うのだ、違うのだぁぁぁ!!!」
「主!! 何処へ行かれるのです!? あーるーじー!!!??」
ガムシャラに走って、走って、
大きな桜木までやって来た。
おもむろに手を付き、息を整える。
私は、何をやっているのだ…
「………。」
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程なくして、出陣の命令が下り
一緒に出陣したのだが…
「…っ!?」
「主さん!! 大丈夫!?」
「あぁ、すまない堀川くん…大丈夫だ、負傷は無い」
「おいおい、お得意の術はどうしちまったんだ?? 手加減なんざしなくて良いんだぜ??」
「…あぁ、分かっている、和泉守くん」
「………。」
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認めたくは無かった。
受け入れたく無かった。
でも、もうそんな事は言ってられなくなっていた。
霊力が弱まっている。
確実に。
それも、日に日に…
「主、隣…良い?」
「清光くん…」
深夜。
縁側に1人座っていると、清光くんが来て、遠慮がちに隣に座った。