第1章 プロローグ
それは
私が8歳の頃だっただろうか。
「を、審神者に、ですか…?」
人里離れたこの家に、見知らぬ大人が数人訪れていた。
何やら不穏な空気だと、幼いながらに感じたことをよく覚えている。
「は強い力を持つ巫女です。審神者には…そのような事には巻き込まないで下さい…」
「しかし政府からの…」
「…代わりに、俺が審神者になります」
兄様の真っ直ぐな目と力強い声に怯み
足早に去って行く大人達。
「兄様、”さにわ”とは何ですか?」
「あぁ、聞いていたんだね」
「すみません…すこし気になってしまって…」
「あはは、謝らなくていいんだよ。は”刀剣男士”というのを知っているかい?」
「知っています!刀よりうみだされた”つくもがみ”だとおばあさまに教わりました!!」
「うん、よく勉強しているね、えらいぞ♪ ”審神者”はね、そんな刀剣男士達と、歴史を守るために頑張る人の事を言うんだよ」
「兄様…!! つくもがみをしょうかんできるのですか!!さすがは兄様です!!」
「うん…まぁ一応は…」
「兄様も戦うのですね!!」
「あー…んー……、残念ながら、俺には程の力は無いから…(笑) だから、俺はみんなを守ることに尽くすよ」
「守る…」
「うん…だから…」
「もしが審神者になることになったら、も刀剣男士達を守ってあげるんだよ?」
それから、10年後だった
兄様の突然の死を知らされたのは