第3章 小さな手をいつまでも…
秀吉「お前なぁ……一体どんな気持ちでそんな事言ってるんだ」
「ん?そんな事って?」
眉間に皺を寄せ苦笑する秀吉に、はキョトンとした表情を浮かべる。
秀吉「いや、何でもない。そんなことじゃ迷子になるか、拐われるかしそうだな」
秀吉はそう言ってごく自然にの手を繋ぎ、再び歩き始める。
「ふふっ!心配性なお兄ちゃんだね!」
頬を染めながらも、ふわりとした笑顔を秀吉に向けるも、その大きな手をきゅっと握り返すのだった。
秀吉「…可愛い妹を心配するのは当たり前だろう?さてと、あまり先方を待たせちゃ悪い。早く届けてやるか」
「うん、そうだね!あ、秀吉さん、配達が終わったら甘味食べたい!」
秀吉「わかった、わかった。ほら、行くぞー?」
「わぁーい!やったぁ!!」
仲睦まじく手を繋ぎ歩く姿は、端から見れば恋人そのものなのだろう。
ーーなぁ、
今、
この瞬間だけは、
そうやって自惚れてもいいか?ーー
願うようにもう一度、その小さな手をぎゅっと握るのだった。