第11章 ⭐ ガールズトーク⭐
信長「騒がしいぞ、貴様ら。囀ずる暇があるなら手を動かせ」
針子仲間「しっ…失礼致しました!」
針子仲間達は一気に表情を引き締め頭を垂れる。
信長「騒がしい原因はやはり貴様か、」
はきゅっと眉を上げ信長に近付くと、信長の顔の前で人差し指を立てる。
「もうっ!信長様、そんなに皆を怖がらせちゃ駄目ですよ?せっかく信長様が優しいって皆に教えてたのに!」
信長「ほう。貴様、この俺に小言を言うつもりか」
「小言とか、そう言うことでは無くてですね!」
信長「ふん、小言以外に何がある」
余裕めいた顔で愉しそうに笑う信長と、の行動を見て針子仲間達は驚いた表情で口を開けたまま目を瞬かせる。
信長「貴様らも昼餉を取るが良い。、貴様も昼餉を食うなら早く来い。それとも小言を続けるか?」
「食べます!それじゃ皆さん、またお昼からよろしくお願いします」
針子仲間「あ、はい!よろしくお願い致します」
針子仲間達は信長とを見送ると、深く息を吐く。
針子仲間「あぁ~緊張したわ…」
針子仲間「私も…。でも、様の前だと信長様はあの様なお顔をなさるのね」
針子仲間「初めて見たわよね…」
信長の意外な一面を垣間見た針子仲間達は昼餉を取る支度を始めるのだった。
信長「して、」
広間へ続く廊下を信長と一緒に歩いていると、ふと名前を呼ばれる。
「はい」
信長「先程あやつらと話していたようだが、貴様は気に入りの男がいるのか?」
「聞いてたんですか!?」
信長「聞こえた、の間違いだろう」
呆れたような表情のに信長はしれっとした顔で答える。
(いやいや…いつからいたの…)
「秘密です!ガールズトークは男子禁制ですからね」
信長「『がーるずとーく』?何だ、その珍妙な響きは」
「女の子だけの内緒話ってことです」
信長「ふっ…なるほどな。ならば、貴様は嘘をつくとすぐ顔に出るのを直さねば内密な話は出来んだろう」
口角を上げ意地悪な笑みで顔を覗き込まれると、は居心地悪そうに頬を膨らませる。
(そんなにわかりやすいのかなぁ?)