第10章 触れたくて………
「ふわぁ~~…っっ」
(結局夕べ光秀さんが戻っていったあとも寝付けなくてつい着物を仕上げちゃった)
は布団の上で思い切り身体を伸ばすと、廊下から名前を呼ばれる。
秀吉「、起きてるのか?」
「秀吉さん?起きてるよー」
返事をしたあと、スッと襖が開いたと同時に秀吉は呆れたような顔を浮かべる。
秀吉「お前なー…また遅くまで起きてたんだろ?クマが出来てるぞ」
「えっ!!嘘!!」
慌てて目の下を手で隠すと、秀吉が苦笑しながら近付いての手の上から親指でそっと撫でる。
秀吉「本当だ。全く…遠出をした帰りに寝たせいで遅くまで起きてるんなら、遠出は控えないといけないな」
(うわぁ…光秀さんの言った通りだ…)
秀吉「ほら、もう皆は広間に集まってるぞ。待っててやるから用意しろー」
秀吉は廊下の方へ行くと襖を閉める。
「はーい」
ごそごそと布団を畳み、着替えを終えると襖を開けて秀吉に声をかける。
「お待たせ、秀吉さん」
秀吉「ん。じゃあ行くか。…そういえば、昨日は政宗のやつがお前の髪を結ったんだよな?」
「うん、そうだよ」
秀吉「じゃ、今日は朝餉が終わったら俺がお前の髪を結ってやる」
「ふふふっ、ありがとう!楽しみにしてるね」
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信長「ようやく起きたか」
三成「おはようございます、様。よくお休みになれましたか?」
「うっ…うん。おはよう、三成くん」
家康「目の下にクマを作ってるやつにかける言葉じゃないよね、それ…」
「…やっぱり目立つ?」
は先程と同じように目の下を隠すように手を添える。
三成「様は熊さんを飼われているのですか?」
「え……?」
(三成くんの天然って、時々壊滅的だよ…)
家康「…お前は熊に食べられたら少しはまともになるんじゃない?あとで血行を良くする塗り薬をあげるから部屋に来なよ」
「ありがとう、家康」
秀吉「おっと、その前に俺に髪を結わせてからだぞ?」
家康「は…?昨日は政宗さんで、今日は秀吉さんですか?」