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【イケメン戦国】みんなでピクニック

第10章 触れたくて………


「景色も綺麗でしたし、とても素敵な時間でした」

思い起こすように笑顔を浮かべ、お茶を啜る。

光秀「あのとき、お前に言った言葉を覚えているか?」

「はい、もちろんです。光秀さんが、私がいるからこその時間だって言ってくれたのがすごく嬉しかったので、忘れたりできません」

光秀「あの言葉に嘘も偽りもない。俺にとっても心地よい時間だった。そう思っているのは皆同じだろう」

いつもならば恥ずかしがって目を逸らすだったが、この時はしっかりと光秀の瞳を見据えていた。

「いつか、本当に戦のない平和な世になったら皆でまた楽しく集まってお話が出来るようになるまで見守っていきたいんです」

真っ直ぐと光秀に向き合い、強い意志を含んだ瞳を向ける。

光秀「…お前の居た世は戦は無いのだろう?」

「はい。少なくとも日本はそうです」

光秀「その時までお前は呑気な顔で此処で過ごすと良い。お前が元の世に戻ってしまっては意地悪が出来なくなるからな」

「一言余計です、光秀さん」

ふふふっ、と楽しそうに笑い

「でも…ありがとうございます。私にとって元居た場所も大切ですが、それよりも安土での今の暮らしが大切です」

光秀「ふっ…秀吉辺りが聞いたら涙を流して喜ぶだろうな」

「秀吉さん、ですか?」

キョトンと首を傾げるに光秀は優しく笑みを向け、

光秀「明日にでも今の言葉を言ってやれ。秀吉の甘やかしぶりに拍車がかかる。…さて、お前はもう寝ろ。あまり遅くまで起きていては遠出が禁止になるぞ」

それだけ言うと、すっと立ち上がり部屋を後にする。

は反物を畳みながら、ピクニックでの1日に思いを馳せる。
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