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【イケメン戦国】みんなでピクニック

第2章 作戦会議


ーーー安土城 広間ーーー

信長「貴様ら、ぴくにっくに行くぞ」

武将たち「ぴくにっく???」

信長の聞き慣れない一声に武将達は皆、キョトンとしたような顔を向ける。

信長は脇息に頬杖をつくかたちで凭れ、鉄扇を扇ぎながら武将達を見据える。

秀吉「畏れながら、信長様…その『ぴくにっく』とは具体的にはどのようなものなのですか?」

信長「俺も詳しくは知らんがあの女が居た時代では秋になると皆で外へと赴き宴を開くのだと言っていた」

三成「夏に『ばーべきゅー』と言うものを催したことは覚えていますが、それと類似したものでしょうか?」

信長「恐らく」

家康「恐らくって…信長様が理解していないことをやるなんてどういった風の吹き回しですか」

信長「夏の『ばーべきゅー』とやらもなかなかの一興であった。あの女の居た時代の風習は興を惹かれるものが多い」

光秀「しかし、いつの間にそのような情報を手に入れたのですか?」

信長「先日、あの女が針子たちにピクニックとやらに行きたいと話しているのを聞いて詳しく話せと言ったまでだ」

三成「そういえば…先程廊下でお会いしたとき、秋は切なくなる、とも仰っていましたね」

三成は思案気に顎に手をやると、がポツリと呟いた言葉を思い出し口にする。

家康「何それ…あんなに毎日うるさいのに、切ないとかそんな気持ちになることなんてあるわけ?」

政宗「今回、この場にあいつを呼ばないのは何故ですか?あいつに聞いた方が手っ取り早いと思いますが」

信長「あの女は俺の持ち物であり、験担ぎでもある。このまま密かに策を遂行し驚かせれば、元の世に戻りたいなど思いはしないだろう」

光秀「確かに。切ないなどと感じると言うことは、少なからず元居た時代を恋しく思うが故、寂しくも感じるということですね」

信長の言葉を聞き、相変わらず読めない表情の光秀の顔は、どことなく憂いを帯びて居た。

家康「…内密にするんなら、いつあの子に話すつもりですか?」

信長「此方の準備が整い次第ここへ呼び、あの女に知らせる」

秀吉「わかりました。あいつが信長様の元を離れ、元の世に戻りたい等と思わなくなるよう、この秀吉、目一杯甘やかします故!」

政宗「それ、信長様のためか?よし!そう言うことなら俺もあいつが好きなもん揃えて俺の作る飯以外いらないって言わせてやるか」
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