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【イケメン戦国】みんなでピクニック

第1章 秋の訪れ


家康は、すっとの方に政宗が作ってきた甘味を差し出し、部屋へ戻るように促す。

「う、うん!ありがとう、家康!」

(何だかわからないけど、助け船出してくれたんだよね!)

慌てて信長から離れ、家康が持つ甘味を受け取る。

「軍議に行く邪魔してごめんね…じゃあ、私は失礼します!」

は一度武将達の方へ振り返り、頭を下げる。

「政宗、ありがとう!頂きます!」

漸く受け取った甘味を嬉しそうに抱え、ふにゃりと笑顔を向ける。

政宗「おう、残さず食えよ」

政宗も、その笑顔に釣られるように嬉しそうな笑顔をに向け、頭をくしゃっと撫でるのだった。

「うん、もちろんだよ!」

は嬉しそうにパタパタと自室へ戻っていく。

秀吉「こらっ廊下は走るなー!こけて怪我するぞ!」

「はーい!気を付けるねー」

その小さな足音が聞こえなくなるまで見送ると、秀吉はふぅ、と小さく息を吐く。

光秀「家康も、なかなか隅に置けないようだな」

光秀はくっくと愉しそうに喉を鳴らしながら笑い、視線を家康へと移す。

家康「何のことだかわかりませんね」

信長「ふっ……貴様も男だったと言うわけか」

信長もまた、愉しそうに口角を上げ、家康を見据える。

三成「家康様は女子だったのですか?」

三成はキョトンとした顔で頓珍漢な質問を家康に向けると、二つの溜め息が同時に聞こえるのだった。

家康「三成、おまえさ、ほんとにバカじゃないの?相手が男か女かもわからないわけ?」

秀吉「三成……お前の天然もここまでだったとはな」

三成「? はぁ…天然…ですか?」

政宗「とにかく、あいつも戻っちまったことだし、広間に行くかー」

秀吉「そうだな…あいつが居なくなっただけで、火が消えたみたいに寂しくなるんだな」

家康「…静かになって有り難いですけど」

光秀「寂しいと顔に書いてあるぞ、家康」

家康「気のせいです」

信長「戯言もその辺にしておけ。此度の軍議はあやつに関係するものだ。行くぞ」

信長はそう言うと羽織を翻し、広間へと向かっていく。

政宗「に甘味をやるように言ったのはその為ってことか」

家康「あの子に聞かれてはまずいことでも?」

信長「その通りだ」
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