第8章 ピクニックへ行こう!
秀吉「、これ着とけ。それより、お前はこいつらと会ってたのか?」
秀吉は自分の羽織をに掛けながら顔を覗き込む。
「ありがとう、秀吉さん。この前、偶然城下で会ったの。今日のために来てくれてたって」
家康「ふぅん…で、いつまで安土に居座るわけ?」
佐助「今日、このまま越後へ戻ります」
「そっか…今日までいるって幸村も話してたよね」
は寂しそうに俯くと、大きな手がぽんっと頭に置かれる。
幸村「おー。また遊びに来てやるから、そんな寂しそうな顔すんな」
信玄「そうだなー。また安土の甘味も食べに来たいのもあるが、俺の天女にも会いたいからな」
謙信「安土の酒もなかなか美酒が揃っていることも、此方に来る理由にはなるぞ」
佐助「俺も何かイベントを考えてみる」
寂しそうなを励ますようにその回りを囲み、一人ずつ優しく声をかけていくのを、安土の武将達は咎めることもなく、ただ静かにその様子を見守っていた。
「はい…待ってますね」
ふにゃりとした笑顔で返事をする。
謙信「お前はいつでもそうやって笑っていろ」
佐助が引いてきた馬にヒラリと跨がると、馬上から色違いの瞳を優しく細める。
謙信に続いて信玄と幸村も馬に跨がると、二人も優しい笑顔でを見下ろす。
幸村「風邪引いたらからかいに来てやる」
信玄「何なら俺が付きっきりで姫の看病してやるから安心していいぞ」
謙信「…ではな」
謙信は手綱を操り、来た道を引き返していくと、信玄も馬を操り謙信の方へと馬を進めていく。
佐助「さん、ハプニングも含めて今日は楽しかった。ありがとう」
「ううん、私もとても楽しかった!本当にありがとう、佐助くん」
佐助「それじゃ、また。皆様もお元気で」
会釈をすると、佐助は幸村の後ろにヒラリと跨がる。
信長「ああ」
「謙信様、信玄様、幸村、佐助くん!ありがとうございました!絶対また会いましょうねー!」
は段々遠くなっていく四人の後ろ姿に向かって手を大きく振りながら叫ぶ。
幸村「おー!、またなー」
幸村の声が聞こえたのと同時に、四人が乗った馬達は一気に速度を上げ、帰って行くのだった。