第8章 ピクニックへ行こう!
信玄「姫、ごめんな…君を泣かせるつもりは全く無かったんだ。もう喧嘩はしない」
政宗「俺もムキになりすぎた。悪かった」
謙信「俺も、可能な限り剣は抜かないと約束しよう…」
「本当に?」
俯いた顔をゆっくりと上げ、三人を見る。
他の武将達も、佐助との回りに自然と集まり、三人の返事を待つ。
政宗・謙信・信玄「「「本当だ」」」
「じゃあ…帰りません。ずっと、皆さんのところにいます」
佐助「良かったですね、皆さん。俺の見解ではワームホールは出現しません」
佐助はしれっとした顔で武将達にそう告げる。
武将達「………は?」
幸村「まさか、佐助お前…」
佐助「あまりにさんを困らせるから、意地悪したくなった」
表情一つ変えずに淡々と話す佐助に、どの武将も安心したような、呆気に取られたような表情を浮かべる。
光秀「全員、佐助殿にしてやられたと言うことか」
信長「ああ。全く面白いやつだ、貴様は」
愉しそうに喉を鳴らしながら笑う光秀と信長の言葉で全員騙されたことに気付き、脱力する。
幸村「あーっくそ!勘弁してくれ…」
「みんな、ごめんなさい…でも、喧嘩ばかりしてたら、本当に帰りますよ!いつまた現れるかわからないですからね!」
ふふふっと少し申し訳なさそうに笑いながらも武将達の顔を見渡す。
佐助「油断大敵ですよ。あ、家康公、盃が空でしたね。どうぞ」
家康「…切り替え早すぎるだろ」
何事も無かったように家康に酌をし始める佐助に、家康は呆れながらも盃を傾ける。
三成「ですが、残ってくださると言ってもらえて良かったです」
「ごめんね、三成くん」
秀吉「三成の言うとおりだ。本当にお前が帰ってしまったら、安土城内は寂しくて堪らなくなるからな」
信玄「野郎ばかりの春日山城も寂しいもんだぞ?」
信長「存分に羨ましがるが良い」
幸村「煽ってんじゃねー」
「いつか、また春日山城にも遊びに行きたいです」
謙信「いつでも来い。歓迎するぞ、」
信長「一応、考えておいてやる」
いつの間にか全員が1ヶ所に集まり、各々自由に飲んだり食べたりしていた。