第8章 ピクニックへ行こう!
政宗「仕方ねぇな。の唇はまたにしとくかー。とにかく、お前はどんどん食え」
政宗は全く悪びれた様子もなく、愉しそうに笑いながら秀吉達の近くに腰を下ろす。
「自分のペース…えっと、食べたいように食べるから急がせないでよ?」
家康「その前に、あんたも食べ物を喉に詰まらせないでよね。ねえ佐助、の分のお茶は?」
家康は謙信達と酒を飲んでいた佐助を呼び、お茶を持ってくるように言う。
佐助「っ…!家康公が、俺の名を…」
幸村「おい、徳川。佐助を気安く使うんじゃねー」
家康「は?そこの忍が自分からお茶を配るって言ったのに、何が悪いわけ?」
幸村が不機嫌な顔で家康に告げると、家康も鬱陶しそうな顔で幸村を見据える。
「あ、佐助くん、いいよー?自分で入れるからゆっくりしてて…って、わぁっ!!」
秀吉「おっと」
立ち上がろうとしたの隣に一瞬で姿を現して来た佐助には驚いて背中を反らせたことにより後ろに倒れそうになるのを秀吉の大きな手のひらによって支えられる。
佐助「あ、ごめん、さん。俺は今、猛烈に感動してて抑えが効かなかった。何せ俺が尊敬する武将ナンバーワンの家康公が、俺の名を呼んでくれたんだから」
「へっ?」
秀吉「は?」
佐助「こんなに嬉しい思い出を作ってくれたさんには感謝してる。秀吉公にも俺にお茶を配らせてくれて感謝してます」
「あ…うん。よくわからないけど、役に立てたみたいで良かった」
興奮しながら話す佐助の手から湯呑みを受けとると、幸村に視線を向ける。
「幸村ー、佐助くん喜んでるみたいだよー!」
秀吉「何だかよくわからない忍だな…」
三成「上杉の優秀な忍にまで尊敬されるとは流石は家康様ですね!」
佐助「家康公、もし良かったら酌をさせて頂いて良いですか?」
家康「…勝手にすれば」
幸村「おい佐助!何で仲良く戯れてんだよ」
家康に酒を注ぐ佐助の姿を見かねたように幸村が立ち上がり傍へ歩み寄ってくる。
信玄「おーい、姫ー?こちらへ来て酌をしてくれないか?」
「はいっ」
はちらりと信長の方へ視線を送ると、それに気付いた信長は口角を上げ、許しを告げる。