第8章 ピクニックへ行こう!
お腹の音を聞かれた恥ずかしさで顔を真っ赤に染め、俯くに信長が助け船を出す。
信長「あやつらの元に行かせるのは気に食わんが、これは貴様のための宴だ。好きにしろ」
「っ…ありがとうございます!」
は嬉しそうに立ち上がると、お弁当のあるほうへと向かっていく。
政宗「漸く来たか、。待ちくたびれたぞ」
「お腹空いたー。どれから食べようか悩んじゃう」
キョロキョロと楽しそうに並べられた豪華な弁当を吟味していく。
政宗「ははっ!まるで童だな。とりあえず、これ食っとけ」
政宗はの口に芋の煮物を運び込む。
「むぐっ……んんーっ美味しー!」
は突然口の中に入ってきた煮物に驚きながらも、もぐもぐと咀嚼したあと、ふにゃりと顔を綻ばせる。
政宗「ここ、付いてるぞ」
政宗はの唇の端に付いた汁を親指で拭い取ると、そのままペロリと舐めとる。
「~~~~っっ!!」
は一気に顔を真っ赤に染め、全身を硬直させる。
政宗「うん、旨いな…どうした?指じゃなくて唇で取った方が良かったか?」
ニヤリと意地悪く口角を上げると、くいっと固まったままのの顎を掬い上げ青い瞳で覗き込む。
家康「…あまり調子に乗ってると、斬られるか酒を飲まされますよ、政宗さん」
やり取りを見ていた武将達は全身に殺気を纏わせ、織田側は酒の瓶を手に取り、春日山城側は刀の柄に手をかけていた。
政宗「刀には喜んで対抗できるが…酒は勘弁だな」
苦笑しながらの顎から手を離すと、むにっと頬を摘まむと横に引っ張る。
政宗「こら、。いつまで石みたいに固まってるんだ」
「いひゃい、いひゃい!」
はっと我に返ったようにパチパチと政宗の手の甲を必死に叩く。
秀吉「全く、油断も隙もあったもんじゃないな…、俺の隣に座れ」
「う、うん」
(確かに、秀吉さんと三成くんの間が一番安全かも…)