第6章 春日山城勢、安土へーーー
信玄「どうだ?信長と同盟を組んだ今なら、俺とこのまま春日山城へ行くことも構わないんじゃないか?」
「信玄様……も~、またそんなこと言ってからかってるでしょう。幸村に言い付けますよ?」
は左手を腰にあて、右手の人差し指を信玄に向かってピッと立てる。
信玄「つれないなー。だがまぁ、幸にも面倒だからするなと言われてる事だし、そんな可愛い仕草をする姫を見れただけでも良しとするかー」
信玄はの頭から手を離し、肩をすくめると、降参と言うように両手を上げて笑う。
信玄「どうすれば本気なんだとわかってもらえるか、俺なりに考えてみることにしよう。片付け、手伝ってくれて助かったよ」
「ふふふっ!では信玄様、またピクニックで」
信玄「ああ。楽しみにしているよ」
ふわりと笑うに、信玄も優しい笑顔で答える。
信玄「全く…信長の元に留めておくのがこれ程 気に食わないと思うのは、きっとあの子の綺麗な笑顔をずっと見ておきたいからなんだろうな……」
の去っていく後ろ姿を見ながら、信玄は少し困った様子で笑うと、とは逆方向の謙信達が走り去った方へと歩き始める。
「明後日が楽しみだなー!早く来ないかなぁ!!」
は信玄のそんな呟きを全く知らない様子で楽しそうに安土城へと戻っていくのだった。