第4章 嬉しいサプライズ
信長「、今宵は皆と広間で夕餉を摂る。貴様も来い」
はいつものように針子の仕事を終え、自室へと続く廊下を歩いていると信長から声がかかり手に持っていた反物を一度自室へ置きに戻ると、そのまま広間へと向かっていた。
(今までも何度かみんなと広間でご飯食べたけど、信長様から呼ばれることは余り無かった気がする……やっぱり何かあったのかな?)
ぼんやりと考えながら広間の襖の前に立ち、声をかける。
「お待たせしてすみません、です」
信長「入れ」
「失礼します」
は中からの許可を受け、ゆっくり襖を開けるといつも自分が座る末席へと向かう。
広間にはすでに武将達が揃い、夕餉を食べ始めていた。
「わぁっいい匂い!お腹空いたぁ!頂きまーす!」
も自分の席の前に用意されたお膳に手を伸ばし、パクパクと何の迷いもなく食べ始める。
光秀「くっくっ…お前は相変わらず何の疑いも無しに箸をつけていくんだな」
光秀の言葉にはもぐもぐと咀嚼しながら首を傾げる。
政宗「お前の食いっぷりは見ていて気持ちいいが、例え毒が入ってても気付かずに食べるんだろうな」
(どっ毒っっ!?)
余りに突然の言葉と、ギラリと光る青い瞳に動揺し、ごくりと飲み込んでしまう。
秀吉「こら!お前達はまたすぐそう言うことを…」
「げほっごほっ……!」
勢いよく飲み込んでしまったは涙目になりながらむせ込んでしまう。
家康「何慌てて飲み込んでるの?誰もあんたのご飯取って食べたりしないから。……ほら、お茶」
の隣に座っている家康は心底あきれた顔をしながらも背中を擦り、お茶を手渡す。
「っ……どーしよう!家康!!飲み込んじゃった!!毒っ…」
家康「っ…ちょっ…!危ないから…っ」
湯呑みを持っている家康の袖にしがみついたせいでお茶が思いきり波打つ。
家康は咄嗟に湯呑みを上にあげ、の側から離すのだった。
「ごっ…!ごめん!!でもっ…」
家康「嘘に決まってるでしょ?」
「へっ?嘘?」
家康「あんたもいちいち騙されるのやめたら?こんな下らない嘘で火傷なんてされても迷惑なんだけど」