第1章 時をかけあう恋~ファーストコンタクト~
「まず、確認なんですが……、ここに来る直前の天気を、教えていただいてもいいですか?」
目的地に着くまでの間に、佐助は家康に状況説明をするため、確認の質問をする。
「………天気?」
「はい。とても重要なことなので……お願いします。」
「…………晴天だったのに、いきなり激しい雨が降ってきて…通り雨だと思ったから、茶屋で雨宿りしていた。そしたら雷も鳴りだして……近くに落ちて、咄嗟に目を瞑って……気づいたらさっきのところに居た。」
「………やっぱり…」
家康の説明を聞いて、佐助の顔が曇る。
「で?何で俺はここにいるわけ?説明してくれるんだよね?」
「はい。大変言いづらいですが……あなたはその雷雨がきっかけで、『ワームホール』という時空を越える穴が開き、それに飲み込まれてしまって、時を越えてきました。」
佐助の説明に、家康は大きく目を見開く。だけどすぐに家康は怪訝な表情になる。
「………時を越え……何言ってるの…そんな馬鹿な話……」
「ですが、あなたは実際、時を越えました。あなた自身がそれを身をもって体験しています。」
「っ……」
家康の言葉を佐助は遮り、佐助は事実を伝える。
確かに家康は、自分自身が身をもって、それを体験している。
「じゃあ……お前がさっき、『2018年』と言ったのは……本当に……?」
家康の言葉に佐助は小さく頷き
「ここは、あなたがいた時代の、約500年後の時代になります。」
キッパリと断言した。