第4章 時をかけあう恋~ときめく想い~
ブオォォォォーー………!!
住宅街を走り抜ける車の音が耳に届き、車にぶつかりそうなところを、家康さんに助けられたのだと気づく。
………ト…クン…………ト…クン………
心臓の音がトクトク……速い。
危なかったから、速くなっているんじゃないのはわかって……それとは別なもの……
「(……今、名前…で………)」
いつもは「あんた」って呼ばれることが多いけど、確かに「陽菜」って呼ばれた。
それに、家康さんの身体に触れている部分が熱くて……さらに胸の奥もじんわり温かくて………
………トクン………トクン………トクン……
「(………なんだろ……これ……)」
なぜだか、一向に心臓の音は落ち着かなくて、胸の奥は温かいまま。