第9章 襲撃
『うん、よし。誰もいない』
ここは大霊書回廊。
調べたいことがあり、山じいに頼み込んで誰も近付けないようにしてもらったのだ。
─────────・・・
『ふぅー』
さすがに何時間も調べものはきついな。
手を組んで伸びる。
『ふぅ』
とりあえず、確認することはできた。
ここ数年、流魂街の住民が突然消えるという事件が起こっている。
しかも、最近では死神も何人かが行方不明になっているという噂も聞いた。
『あの時と同じ...』
あの時も流魂街の住民が忽然と消えた。そしてそれに比例するように虚も減少した。
『まさか...』
でもありえない。あの時、〝あの人〟は死んだはず。でも...
『もし残党がいたりしたら...』
そいつらは私を憎んでいるはず。