第8章 書類配り
持っていた書類を渡す。
卯「ありがとう........でも私が聞いているのは、なんでそんな辛そうな顔をしているかってことよ」
『......っ』
卯「......あの人に会っちゃったの?」
あぁ、やっぱり気づいていたか。
疑問形で聞いているが、ほぼ確信しているようだ。
『.........うん......〝あの人〟に...春水に会ったよ』
久しぶりに会った。少し歳をとったけど、ほかはなんにも変わらない。大好きな春水のままだった。
だからこそ、抱きしめられた瞬間に懐かしさや罪悪感、安心感、焦燥感、いろんな感情がごちゃ混ぜになって泣きそうになった。
そんな私を烈ちゃんは抱きしめた。
その瞬間、ここ何十年、いや、何百年と流してなかった涙が溢れ出した。
卯「そんなに好きなのね」
幼子をあやすように私の背中を軽く叩く烈ちゃん。